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Contentsquare x カウネット

カウネットに学ぶ、Contentsquareを活用したBtoB ECのUI/UX改善、自発的課題解決を生む組織のつくり方

Kaunet-OGP
Kaunet
業界
BtoB
使用製品
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Zoning Analytics
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会社概要

株式会社カウネットは、コクヨグループで購買管理システムおよびEコマースサービスを提供する企業です。1905年の帳簿表紙の製造から始まったコクヨの歴史を背景に、文具やオフィス家具、空間構築へと事業を拡大してきたメーカーとしての強みを活かしつつ、顧客に最も近いポジションでIT事業、流通事業を展開しています。 

同社が提供する主力サービス「べんりねっと」は、企業の調達業務を効率化する間接材購買管理システムであり、現在5,700社を超える企業に導入されています。発注企業と多種多様なサプライヤーをデジタルで繋ぐことで、購買プロセス全体の劇的な効率化、ガバナンス強化、そしてコスト削減を同時に実現するシステムとして高いシェアを誇ります。  

カウネットでは、「業務システムの使い勝手こそが、お客様企業の生産性に直結する」という思想の下でContentsquareを導入。データに基づく顧客理解を起点に、社員が自発的に課題を解決する「デジタル技術の民主化」と、自律的な組織づくりを推進しています。

【お話をうかがった方】

  • コクヨ株式会社 執行役員 ビジネスサプライ事業本部長 兼 株式会社カウネット 代表取締役社長 兼 コクヨサプライロジスティクス株式会社 取締役:宮澤 典友 氏 ※ご所属・役職は2026年7月時点のものです。

購買管理システム「べんりねっと」が抱える利用者の「迷い」の可視化とUI/UX向上の背景

宮澤 典友 氏(以下、宮澤氏): 「べんりねっと」は、発注側のお客様と多種多様なサプライヤー様をデジタルで繋ぎ、間接材購買プロセス全体を効率化する購買管理システムです。

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しかし、このようなBtoBの業務システムであっても、一般的なEコマースと同様に、利用者が操作に迷ったり、本来の意図とは異なるページにたどり着いてしまったりという課題が発生していました。

このシステムにおけるUI/UXをいかに向上させるかという問題は、単なる画面の見やすさにとどまりません。 なぜなら、業務システムの使い勝手を高めることは、そのままお客様の社内における業務生産性や効率の向上に直結するからです。社内精算システムなどを利用する際、途中で迷って何度も画面を戻るような非効率な導線は、大きなストレスになります。

そのため、私たちは利用者の「迷い」や「意図」を可視化し、よりスムーズな業務プロセスを構築することに注力し、そのファクトを捉えるためにContentsquareを用いた改善活動をスタートしました。 BtoBの業務システムであっても、顧客理解を深めて体験を最適化するという本質的な考え方は、BtoCのECサイトと全く変わりません。

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注文履歴の利用率が+161%へ向上。ジャーニー分析から特定した重要導線の「見切れ」改善

宮澤氏: Contentsquareのカスタマージャーニー分析やゾーニング分析を活用することで、BtoB ECならではの重要なインサイトを得ることができました。

ツールを用いた分析の結果、まず検索結果ページとトップページを何度も行き来したり、何度も同じキーワードで再検索を繰り返したりする「検索ループ」に陥っている利用者の非効率な「回遊の停滞」が可視化されました。

さらにデータの中身を深く掘り下げていくと、BtoBの利用者はリピート発注のために「発注履歴」に対するニーズが非常に高いにもかかわらず、画面の下部を分析したところ、履歴遷移への重要導線が画面外(フォールドラインの下)に見切れてしまっているというファクトが判明したのです。

これに対する具体的な打ち手として、画面のスクロール位置に関わらず、どこにいても即座に検索や注文履歴にアクセスできる「画面追従型のフローティング導線」を実装し、新旧パターンのA/Bテストを実施しました。

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その結果、コンバージョン率の改善にとどまらず、利用者の明確な行動変容というファクトが実証されました。画面外の見切れを解消したことで、「注文履歴の利用率」は従来の0.23%から0.60%へと向上し、リピート注文の快適化によって+161%の大幅な改善を記録しました。

また、ページ下部のスクロール中でも即時に再検索が可能となったため、「検索窓の利用率」も27.3%から28.0%へ向上(+3%)しました。 無駄なスクロールバックの手間が減ったことで、「お気に入り・買い物かごの利用率」が3.88%から4.01%へ向上(+3.3%)し、購入決済やお気に入り登録へのアクションが活性化するという劇的な成果を得られました。

利用者が「次に何をすべきか」を迷うことなく、スムーズにタスクを処理できる環境を整えることができたのです。

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デジタル人材育成・実践プログラム「KDA」によるデジタル民主化の推進、自律型組織への変革の取り組み

宮澤氏: コクヨグループおよびカウネットにおける大きな組織コンセプトは、「誰か」に頼るのではなく、「課題に気づいた人自身がその場でスピーディーに打ち手を打てる」組織づくりです。

機能別の会社組織は効率性の観点から優れていますが、一方で現場の課題を最もよく知っているのは、お客様の最前線にいる社員たちです。現場が課題を認識していながら自分たちで解決するスキルがないために、長い社内プロセスを経て開発へ繋げているようでは変化のスピードに追いつけません。

一番課題を理解している人が、最も短い時間軸で解決できるよう、社員全員がテクノロジーを活用できる環境、すなわち「デジタル技術の民主化」を実現する必要があると考えました。

そのためには、知識やスキルの習得だけでなく、実際に失敗を重ねながら経験を積む「実践の場」を提供しなくてはなりません。このような背景から、2023年6月に、コクヨグループのデジタル人材育成・実践プログラム「コクヨデジタルアカデミー(KDA)」を開校いたしました。

2026年現在の累計修了者数は、20歳から65歳までの幅広い年代におよぶ延べ1,800名を超えております。

強制的な研修プログラムに対する違和感が生み出した、「完全手上げ制」の能動的なカルチャー

宮澤氏: KDAを立ち上げる際、私自身が昔から抱いていた「強制的な研修プログラムに対する強い違和感」を排除することを重視しました。自分がKDAの学長として研修プログラムを運営するのであれば、「仕事を置いてでも、ワクワクして自主的に参加したくなる場にしたい」という強い使命感を持って取り組んできました。

また、KDAの最も重要な運営方針として、プログラムを「完全手上げ制(自由参加)」にしています。自由参加であるということは、プログラム自体が意欲的な受講生に価値を提供し続けなければ誰も来てくれなくなるというリスクを常に孕んでいます。私たちはあえてその恐怖感を自分たちに課すことでコンテンツを進化させ続ける原動力とし、社内マーケティング活動を通じて自発的に集まる仕組みづくりを行ってきました。

社内に発信するキーワードの思想も大きく転換しました。

従来の研修で使われがちだった「必須参加」「強制」「コスト削減」「成果の達成」といった義務的な言葉を一切排除し、「手挙げ制で参加」「楽しく・ワクワク」「お客様のために」「実験しよう」という、前向きで心理的安心感を生み出す言葉を発信し続けました。成果を厳格に求めるよりも、まずは新しい技術やデータを社内で試してみるという「実験カルチャー」を定着させることを最優先したのです。

現場の課題感に寄り添いながら楽しんで進めていくことが、結果として自立的に思考し行動する組織風土を醸成し、大きな組織変革の推進力になると確信しています。

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AIと共にビジネスをアップデート、カウネットが描く未来のデジタル購買体験とは

宮澤氏: 今後は、人とAIが高度にコラボレーションすることで、私たちのビジネスやEコマースの未来をさらにアップデートしていきたいと考えています。生成AIの登場により、業務習得のあり方は従来の「対面中心」から、AIを用いて各自が自律的にナレッジを探索して自己解決する「探索型」へと変化しつつあります。 これまでのECは、お客様が画面上で商品を検索し、比較し、ボタンをクリックするという「お客様の行動」の積み重ねによって成り立っていました。

しかしこれからの未来は、お客様が「○○がやりたい」という目的や意思を表明するだけで、具体的な購買プロセスや最適な商品の選定は、裏側のAIが「無意識の自動運転」のようにすべて自動で実行してくれる世界へと変わっていきます。 お客様は直感的に「選ぶ」という意志を示すだけでよくなり、物品調達のための煩雑なルーティンワークから完全に解放され、本来の目的である創造的な業務に集中できるようになります。 ECシステムそのものが、企業の経済活動を支える見えない「心臓」として、あらゆるプロセスを裏側で自律的に自動化する存在へと進化していくのです。

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この未来像を具現化するための最初の一歩として、カウネットのECサイトでは、自然文での柔軟なアプローチを可能にする「ベクトル検索」機能の実装を予定しています。 従来のように具体的な商品名や型番を入力しなくても、「ガラスの壁に透明なテープを貼る」といった、お客様の「やりたいこと(目的)」をそのまま検索窓に入力するだけで、AIがその意図を正しく解釈し、最適な商品を先回りして提案してくれる環境を作ります。 さらに将来的には、お客様とAIが「オフィスの大掃除を実施したい」「使いやすさ重視のおすすめグッズをまとめます」といった自然な会話を交わすだけで、調達プロセスが全自動で完了する世界を実現します。

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売上や結果の数値だけを追うのではなく、お客様の行動の背景にある「迷い」や「意図」という事実に誠実に向き合い続けること。

カウネットは、Contentsquareを活用した徹底的な顧客理解のためのデータ活用と、社内のデジタル民主化という両輪を回しながら、見えない裏側でお客様のビジネスプロセスを調和させ、全自動化していく未来のEC体験をこれからも組織一丸となって切り拓いてまいります。

取材日:2026年7月7日