デジタル体験(Digital Experience)の改善を推進するリーダーたちのコミュニティとしてContentsquareが主催する「DX Connections」。これまでは「DX Club」として親しまれてきた本イベントですが、名称を一新して開催されました。
今回はデジタル体験の最適化における「顧客視点(ユーザー目線)」の重要性や、データドリブンな改善プロセスを組織全体に浸透させるためのリアルなアプローチについて活発な議論が交わされました。
さらに、Contentsquareパートナーであり、本イベントご登壇企業様の伴走支援を行っている株式会社ギャプライズによる生成AI時代の最新マーケティング動向の解説、Contentsquare顧客セッション、Contentsquareに組み込まれたAIエンジン「Sense」の次世代機能「Senseアナリスト」をはじめとする最新アップデートに焦点を当てた、濃密な学びの場となりました。
ユーザー行動分析から本質的な課題を導き出すデジタル体験の最適化プロセス、AIを活用した未来のUX分析手法、そして大盛況となったネットワーキングまで、当日の様子をお届けします。

プログラム
16:30- 開会のごあいさつ
16:35- GEO(生成エンジン最適化)とAEOの最新動向
16:50- 顧客事例セッション:週次の徹底したUX改善でコンバージョンを最大化
17:40- Contentsquare最新アップデート
17:55- 懇親会
19:10- 閉会のごあいさつ
GEO(生成エンジン最適化)とAEOの最新動向
最初のセッションでは株式会社ギャプライズのAI検索対策スペシャリスト 遠藤哲平氏より、検索行動の激変に伴い企業が今取り組むべき次世代のマーケティング領域「GEO(生成エンジン最適化)」および「AEO(回答エンジン最適化)」について解説がなされました。 同セッションの大きな見どころは、Contentsquareが「ウェブサイトの中(オンサイト)の体験改善」を担うのに対し、ギャプライズが提供するAEOは「ウェブサイトに至るまで(オフサイト)の顧客接点改善」を最適化するという補完関係にあります。実践的なデジタルマーケティングを学べる、貴重な講演内容の一部をダイジェストでお届けします。

1.ユーザーの検索行動と「ゼロクリック」による変化
昨今、ユーザーが何かを調べたり、製品を比較・検討したりする際、従来の検索窓ではなく「生成AI」に直接問いかける行動が急増しています。実際に製品の購入やサービス利用の前に「AIで下調べをする」と答えたユーザーは全体の44%に達しており、もはや無視できない規模となっています。
従来の検索であれば、検索結果の上位から順に複数のサイトを行き来して情報を集めていましたが、現在ではAIの回答画面だけで情報が完結する「ゼロクリック」のケースが増えています。AIが提示する選択肢に自社ブランドが含まれなければ、検討の土台にすら乗れないという新たな課題が生まれています。
2.いま取るべき対策とは:順位だけではない「GEO」の評価基準
「SEOをやっていればGEOもうまくいく」という考え方は非常にリスキーであると遠藤氏は語ります。Googleの公式見解や実データの分析からも、従来の検索順位の結果と、生成AIが回答の中で自社を「参照・引用(サイテーション)する確率」との間には直接的な因果関係がないことが分かっています。
AI検索の露出を増やすための「GEO対策」において、企業が押さえるべきポイントは以下の2点です。
AIクローラーに好まれるコンテンツの用意:AIはFAQ(よくある質問)の網羅や、他社との比較情報、明確な定義や手順、料金や詳細な仕様といった構造化しやすい情報、誠実でフレッシュな一次情報を好みます。
技術的な最適化(裏側の設計):ページの表示速度の高速化や「構造化データ(Schemaマークアップ)」の実装、内部リンクの最適化、さらにはAIボット専用のサイトマップ(XMLサイトマップなど)を構築し、クローラーの巡回をスムーズにすることが不可欠です。
顧客体験分析の未来:Contentsquareがもたらすデータ分析の「民主化」
Contentsquare Japanのソリューションコンサルタント張 才源より、昨今データ活用のスピードを劇的に変えつつある最新の生成AI機能「Sense」の進化について紹介がありました。
1. 膨大なデータ基盤とContentsquareの5つのコアモジュール
Contentsquareは、ウェブサイトやアプリ上におけるユーザーのあらゆる行動データを完全にキャプチャし、高度に分析できるプラットフォームを提供しています。
その計測規模は天文学的であり、世界中で年間5600億ページビュー(PV)、1500億セッションという膨大なデータをリアルタイムに処理しています。

この圧倒的なデータをもとに、企業のデータ活用フェーズに合わせた次の5つのコアモジュールがビジネスに貢献します。
データ収集:専用タグを1つ埋め込むだけで、事前の設定なしにクリック、タップ、スワイプ、スクロールといったあらゆる行動データや、ページ読み込み速度、システムログまでを自動で網羅的に収集します。
可視化:ユーザーの回遊動線からボトルネックを特定する「ジャーニー分析」と、各コンテンツのクリック率や収益への影響度を直感的に可視化する「ゾーン分析(ヒートマップ)」等を提供します。
原因分析:課題が検出された特定のユーザー行動を録画ビデオのように再現する「セッションリプレイ」により、離脱やエラーの根本的な理由(なぜ)を深く掘り下げます。
定量化:課題を改修した場合の売上やコンバージョン数の予測値を「インパクト分析」によって算出。主観を排除し、エビデンスに基づいた施策の優先順位付けを可能にします。
モニタリング:これら一連の改善プロセスや重要経営指標(KPI)を、カスタマイズ可能な「ダッシュボード」に集約し、社内全体へリアルタイムに共有/展開します。

2. 生成AI機能「Sense」の進化と従来の限界
2024年にリリースされた初期の「Sense」はデータ分析のハードルを大きく引き下げました。主に、複雑なデータやヒートマップを言語化する「Senseサマリー」、分析画面上で対話的に洞察を得る「Senseチャット」、大量のウェブページを自動で分類・整理する「Senseマッピング」の3機能がデータ活用のスピードを飛躍的に向上させました。
しかし、従来のAIサポートには「人間が起点となって操作し、個別の画面を一つずつ確認していく必要がある」という物理的・時間的な制約が残されていました。

この壁を打ち破るために開発されたのが次世代コア機能「Senseアナリスト」です。
「人間主体」から「AI主体」へと構造を完全に逆転させ、優秀な専任アナリストが自ら自律的に動き、サイト全体の膨大なデータを縦横無尽に分析して答えを持ってきてくれる、という革新的な世界を実現した機能です。
この機能をご活用いただくことで、過去のデータ分析の経験年数やテクニカルなスキルレベルに関わらず、社内の「誰もが」トップアナリストと同等の高度な分析を行い、即座にビジネスの意思決定へ繋げることができるようになります。
ネットワーキングタイム

プログラム終了後はネットワーキングタイムが開催されました。
懇親会の場では、ドリンクとフードを囲みながら、参加者の皆さまが各社でのContentsquareの具体的な活用事例について熱くディスカッションしたり、Contentsquareのスタッフに直接日頃の課題を相談したりといった光景が至る所で見られました。
業界や業種を超えて、DX推進やデータ活用という共通のテーマを持つ仲間とフラットに交流することで、多角的な視点や新たな気づきが得られたのではないでしょうか。
当日のアンケートでは「他社の具体的な利用状況やリアルな声を聞くことができ、自社でのコンバージョン改善やジャーニー分析に向けて大きな刺激になった」「他業種の事例からも多くの発見があり、大変学びの多いイベントだった」など、コメントを多数いただきました。
ご参加いただいた皆さま、そして貴重な知見をご共有いただいた登壇者の皆さまに心より感謝申し上げます。DX Connectionsは今後も継続的に企画し、皆さまの実践的な学びと交流の場を提供してまいります。

次回イベントのご案内

CX Circle 2026 Tokyo|デジタル顧客体験の未来、その形。〜AI時代、ロストジャーニーを再発見〜
ブランドを運営する企業のための国内最大級のCXイベント「CX Circle 2026 Tokyo」。コクヨグループ カウネット、資生堂ジャパン、TSI、QVCなど、各業界を牽引するCXリーダーたちの登壇が決定しています。デジタル体験の未来を捉えるこの機会、ぜひご参加ください。
Contentsquareは、2012年にパリで設立したデジタル体験分析プラットフォームのリーダー企業です。 私たちは、あらゆるタッチポイントにおける顧客体験を包括的に理解できるソリューションを提供しています。 当社のプラットフォームは、企業がユーザーのウェブサイトやモバイルアプリでの行動を把握し、理解することを支援するために設計されています。分析手法に興味がある場合は、ぜひデモをご予約ください。


