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EC事例を徹底解説!CXのあるべき姿

CX Circle Tokyo 2023
EC事例を徹底解説!CXのあるべき姿 — Cover Image

「ユーザー理解を深め、ユーザーを正しく知ることがCX向上の第一歩です」と言い切るのは、株式会社DearOne(ディアワン)マーケティング部ゼネラルマネージャーの安田一優氏です。

デジタル体験分析のトップベンダーであるContentsquareが2023年6月28日(水)に開催したCX(顧客体験)の大型イベント「CX Circle Tokyo 2023」で、安田氏はCX改善により売上が増加した実際の事例を紹介しながら、その詳細なプロセスについて語りました。

CXの向上で事業の成長に成功した事例

ECサイトの事例をもとに、CXを向上させて事業を成長させる方法を紹介します。

株式会社DearOneは、NTTドコモのグループ会社で、主にデジタルマーケティングの支援に取り組んでいます。飲食・小売を中心とした各種業界の販促向けアプリ開発をはじめ、ECサイトのグロースまで、エンタープライズのお客さまを中心に幅広く支援しています。

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スライドの上部に示している「認知」を取ってコンバージョンにつなぐ新規獲得ではなく、スライドの下部にある、既存顧客や会員をロイヤルカスタマーに育てて、LTV(Life Time Value)を上げていく部分が事業の中心です。**“Growth Marketing”**というフレームワークを使っています。

企業や自治体に向けて公式アプリ開発サービス「ModuleApps2.0」を提供しているほか、行動分析ツールであるContentsquareやAmplitude、マーケティング・オートメーションの運用なども実施しています。

今回は、クライアントのウェブサイトにおいて、CXを向上させることに成功した事例をいくつか紹介いたします。

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上記の一番左はアパレルのECサイトの事例です。カートに入れっぱなしの商品のリマインドをしたり、新着アイテムのお知らせ機能を実装したりして、コンバージョン率(CVR)を7倍に上げることができました。

真ん中はカフェチェーンのアプリ事例です。キャンペーンを一斉配信するのではなく、最適なユーザーにだけ最適なタイミングでセグメント配信することで、反応率が141%に上がりました。

一番右は教育系動画のサブスクリプションサービスの事例です。人気検索ワードや関連動画を表示することで、リテンション率が5%上がりました。

顧客理解にはデータの蓄積と分析が重要

こういったCX向上においては、顧客理解が一番大事だと考えています。

マーケティング業務は顧客理解から始まり、ニーズをつかみ、その上でプロダクトの機能やUIの改善をする、もしくはコミュニケーションの改善に取り組む。そして、その結果を効果測定する。このプロセスを回していくことが非常に重要です。

そして、このプロセスにおいて重視しているのは、データの活用です。

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効果測定においては、ユーザーの行動データや実際の購入データが蓄積されていくので、データ基盤に貯めていきます。ただデータを貯めるだけでは使えません。ちゃんと使える形に整える必要があります。そして、そのデータを分析して、それをもとに、より深くより正しく顧客を理解しなければなりません。

私たちが提唱しているGrowth Marketingでは、上記のプロセス図のなかで、赤く示している部分にウェブサイトのCX向上を加速させるフレームワークを持っています。

今回はフレームワークそのものの解説はしませんが、実際の事例を紹介します。

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では、突然ですが、上図のアパレルECサイトの商品ページにおいて、お気に入りボタンを置くか閲覧履歴ボタンを置くか、どちらが効果的でしょうか?

このECサイトにおいて効果的なのは閲覧履歴でした。お気に入りボタンを閲覧履歴ボタンに変更することで、カート投入率が122%、コンバージョン率が156%、購入者数が114%と非常に大きく増加しました。

ただ、どのECサイトにも閲覧履歴ボタンを置くといいわけではありません。このウェブサイトにおいて、なぜ閲覧履歴ボタンが最適だと分かったのか、そのプロセスを説明します。

このケースでは、購入回数2回以上のユーザーの行動分析をしました。

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ユーザーがウェブサイトで行っている行動を全体平均と購入回数2回以上のユーザーの平均で並べています。「閲覧履歴を見る」という行動は、全体平均1.4回に対して、購入回数2回以上のユーザーは9.1回と非常に多いわけです。

こうして閲覧履歴ページをもっと多く見てもらえれば、購入回数が増えるのではないかという仮説が浮かび上がってきます。

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すると、閲覧履歴ページへのアクセスは、どこから来ているのか知りたくなりますよね。

上図はカスタマージャーニーを可視化しています。閲覧履歴ページの前には、48%のユーザーが商品詳細ページを閲覧していることが分かりました。つまり、商品詳細ページから閲覧履歴ページの動線を強化すれば、閲覧履歴ページへのアクセスが増加することが予想されます。

そして、閲覧履歴ページを見る人が増えれば、購入回数が増えるのではないでしょうか。こういった仮説に基づいて、お気に入りボタンを閲覧履歴ボタンに変更し、成果が出たというわけです。

定量データと定性データを組み合わせてユーザーを理解する

こういった分析に加えて、ABテストも実施しています。この事例ではボタンを重視していたので、クリックの回数を計測する必要があります。クリックの回数が多くても購入につながってない可能性もあります。購入につながっているかどうかをABテストでも見ることを非常に重要視しました。

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ここまで定量データ分析の話だけをしてきましたが、定量データ分析だけではユーザー行動とコンバージョンの相関性は分かりますが、「なぜその行動をしたか」は分かりません。

**定量データと定性データの組み合わせは非常に重要です。**例えば、定性データの取得にセッションリプレイは非常に有効ですね。定量データと定性データを組み合わせて、ユーザー理解を深め、ユーザーを正しく知ることがCX向上の第一歩です。

当社が提唱しているGrowth Marketingについては、ウェブサイト上にさまざまな事例情報を掲載していますので、ご覧ください。

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