近年、データドリブンな戦略の導入について多く語られるようになりました。しかし、実際に現場で活用されているのでしょうか。Contentsquareは、個人や企業を対象にレンタカーサービスを展開する「Rent a Car」のウェブサイトのリニューアルを担当しました。Contentsquareのチームがデータドリブンな戦略を導入したことによって、ウェブサイトのデザインのみならず、会社組織全体が一新されました。Rent a Carのこの事例には、データドリブン戦略導入の成功例として学ぶべきことが多くあります。Rent a CarのWeb AnalystであるPaula Andrea Romeroに話を聞きました。
まずは3つのポイントを押さえましょう。
🎯 データドリブン戦略とは何か?
🧐 データドリブン戦略を導入する理由
⭐️ Rent a Carの事例紹介:データドリブンな組織のつくり方
データドリブン戦略とは何か?
データドリブン戦略とは、文字通り、データによって駆動される戦略です。この戦略におけるあらゆる決断や行動、段階は、実施前、実施中そして実施後のデータ分析を基に実行されます。データドリブンな企業では、データは、経営層や現場のチームを問わず、いつでもだれでも利用できるように統合されています。
SNSやデジタルマーケティング、デジタルデータ、IoT、ウェブサイトなどを通じてのデータの収集は、ルールや基準に則っているかぎり、しっかりと運用されてしかるべきです。
データドリブン戦略を導入する理由
データドリブン戦略を導入する理由は、とてもシンプルです。データがなければ、直感に頼るしかないのですから。しかし、直感がどんなに優れていても、やはりそれは確かなものとは言えないはずです。パーソナライズ化、動線設計、顧客理解などのデジタル戦略において、データドリブンな戦略は、ブランドを新しい世界へと導くでしょう。
そして、それは結果として、ブランドの利益を上げることにつながります。顧客はより良いサービスを享受し、ブランドは業績がよりアップするというわけです。こんなに素晴らしいことはないでしょう。
Rent a Carの事例紹介:データドリブンな組織のつくり方
短期レンタルに特化したオンラインレンタカーサービスのRent a Carは、フランスにおいて、個人からプロまでを対象にしたサービスを展開し、大きな存在感を示しています。Rent a Carもデジタル化の潮流の例外ではありません。顧客体験を向上させ、コンバージョンと売上を伸ばすために、ウェブサイトをリニューアルしました。
現在の主な課題は、ウェブサイトにおいて、B2CとB2Bを共存させることです。ユーザーを2倍に、そして体験も2倍にしようと挑戦しています。
Contentsquareのサポートにより、Rent a Carは、しっかりと設計されたプロセスと全く新しいデータドリブンな組織を実現できました。
1. データドリブンな組織は現状をしっかり把握する
デジタルのエコシステムを刷新し、全てのチームを再編成する前に、現状の棚卸しをする必要があります。
・何が機能しているのか?
・何が機能していないのか?
・短期、中期、長期の目標は何か?
2. データサイクルを設定する
Contentsquareが支援しながら、Rent a Carは、よりデータドリブンになるために、社内組織を全面的に見直すことにしました。そのために設定されたのが、「データサイクル」です。
最初のステップは、明確に定義された目的に基づいて、実施するべき分析を選ぶことです。そして、次のステップで、分析を実行に移します。選り抜いた分析から、アクションと最適化を導き出し、優先順位をつけます。アクションの優先順位が決まったら、実行しましょう。最適化を経て、正確な指標に基づいてアクションや最適化の影響を分析します。結果は、全てのチームばかりか、経営層を含む全てのステークホルダーにも共有しましょう。このように、データは意思決定の中核を担うのです。
Contentsquareでは、このデータの好循環をデータサイクルと呼んでいます。
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Contentsquareが提唱するデータサイクル
Rent a Carは、この最適化のためのプロセスを継続的に行なっており、定期的な分析を実施しています。主な目的は、コンバージョン率を高めることです。
3. データドリブンな分析と対応
Paulaによると、一度コツをつかんでからは、週に2回のペースで包括的な分析をしているそうです。実施している分析は、ナビゲーションの動線の分析、ヒートマップ、ページ比較ツールを活用したKPI(魅力度、クリック率、スクロール率、クリックあたりのコンバージョン率など)に基づいたページパフォーマンス測定などです。Contentsquareが提供する多彩なモジュールによって、Rent a Carはより深く、詳細な分析をできるようになりました。
このように、各チームは、透明性とデータドリブンな組織運営を常に意識しながら、インサイトや改善点を特定し、それらに優先順位をつけ、共有することに成功しています。