強力な製品ビジョンを定義することで、製品チームは製品の目的に確実に焦点を当てることができます。しかし、戦略的な目標と製品イニシアチブがなければ、そのビジョンを実現するのは困難です。
意味のある製品目標に基づいて製品イニシアチブを設定する方法を学ぶことで、製品チームが目標達成に向けて着実に進み、製品がビジネスにもたらす価値の可能性をステークホルダーに納得させ、リリースするすべての製品または機能がユーザーのニーズを満たすことが可能になります。
このガイドではその方法を解説します。
製品目標と製品イニシアチブの意味とその違い
製品目標は、製品ビジョンを明確かつ測定可能な目標へと落とし込むもので、製品が何を達成する必要があるのか、それを達成するための期間、達成できたかどうかを測定する方法を具体的に定義します。
製品イニシアチブは、主要なタスクと機能を、製品目標の達成を目的とした複雑なプロジェクトに統合します。パフォーマンスの改善、機能追加、その他のアクティビティをテーマとして統合し、製品ワークフローを構築します。
目標は具体的な焦点を持ち、多くの場合、解決しようとしている問題を簡潔に表します。イニシアチブとは、複数のチームが関わり、通常は四半期以上に及ぶ、長期的で複雑な取り組みです。製品開発においては、常に複数のイニシアチブが進行中である場合があります。目標は日々の思考と計画の原動力となるため重要であり、イニシアチブは長期的な成功を可能にするため重要です。
製品のビジョン、目標、イニシアチブを調和させる方法の例を見てみましょう。
バーチャルイベントアプリのプロダクトマネージャーを想像してください。
そして、「企業が高速かつ安全でカスタマイズ可能なモバイルプラットフォーム上で仮想イベントを開催できるようにするナンバーワン製品になる 」という製品ビジョンを策定したとします。
このビジョンを実現するために、以下のような製品目標を設定します。
2022年第4四半期に新規顧客登録を10%増加
18か月以内にGoogle PlayとAppleストアでイベントアプリのトップ5にランクインする
ここからが重要です。これらの目標を達成するために何をする必要があるでしょうか?
そこで、これらの目標を達成するには、「新しいユーザー層を取り込み、カスタマイズ性を高め、ユーザー体験を向上させてユーザーのニーズにより適切に応える必要がある」と仮定します。
次に、目標達成に貢献するタスクと機能を主要テーマにグループ化します。これらが製品イニシアチブです。
この例では、以下のようなイニシアチブが考えられます。
2025年第4四半期末までに無料トライアル体験を最適化する
6か月以内に大規模なエンタープライズ顧客のニーズを満たすためにセキュリティ機能と権限を強化する
2025年末までに4つの新しいコラボレーション機能を追加する
これらのイニシアチブでは、製品目標を達成するために、特定のタスク、機能、機能グループ(またはエピック)をマッピングできます。
製品目標と製品イニシアチブの主な違いは、目標が望ましい最終結果であるのに対し、 イニシアチブはそれを達成するために企業が行うステップであるという点です。
つまり、
「製品目標=計画通りにビジョンを実現するために役立つ目標」です。
製品イニシアチブ: 目標を達成するために検討する作業とテーマ。
製品目標と製品イニシアチブが重要な理由
製品管理を成功させるには、製品に対する明確で実行可能な目標とイニシアチブに基づいた安定した基盤が必要です。
製品目標と製品イニシアチブを結びつけることで、以下が可能になります。
目標とその達成方法について製品チームの足並みを揃える
新しいリクエストやアイデアに気を取られないようにする
製品タスクが企業全体の目標にどのように貢献しているかを効果的に伝え、ステークホルダーを巻き込む
ユーザーにとっての価値を最大限に高めるアクティビティにユーザーリソースを集中させる
強力な製品目標を設定するための5つのヒント
製品計画を実現するための最初のステップは、適切な目標を設定することです。以下では、役立つ5つのヒントを紹介します。
1. 組織と製品のビジョンから始める
組織のビジョンを再確認し、製品が企業のより本質的な目的とビジネス目標の達成にどのように貢献するかを理解することが重要です。製品ビジョンが、ビジネスニーズとユーザーニーズの架け橋となるようにする必要があります。
企業と製品のビジョンステートメントを基に、ビジネス目標を達成すると同時にユーザーのニーズを満たす目標を検討します。
2. できるだけ多くの意見を参考にする
製品目標の設定は、一人で行われるべきではありません。さまざまなチームメンバーと部門横断的にコラボレーションするほど、目標はよりバランスが取れたものになります。
ステークホルダーの意見を聞き、目標が主要なビジネス目標や指標と合致していることを確認し、製品チームの幅広い視点も考慮しながら、技術的に実現可能な目標を設定しましょう。チームをこのプロセスに巻き込むことで、チームの当事者意識を高めつつ、組織的な視点を意識させることができます。
また、ユーザーの意見を参考にしながらデータに基づいて目標を設定することも重要です。Contentsquareのようなエクスペリエンス・インテリジェンス・プラットフォームを利用して、ユーザーが製品をどのように利用しているか、確認してみましょう。Contentsquareのセッションリプレイやヒートマップツールによって、ユーザーの製品体験を理解できます。さらに、アンケートやインタビューなどのツールを使って、ユーザーに直接質問することも可能です。
![[Visual] Session replay product shot](http://images.ctfassets.net/gwbpo1m641r7/3LL13WAqE6m1HwK774jx8Q/65fc93ad17017be0f90f682687f52760/Triggered_recording__3_.avif?w=3840&q=100&fit=fill&fm=avif)
セッションリプレイによって、ユーザーがサイト内をナビゲートする際に見たものを動画形式で再現し、目標達成に役立つユーザーインサイトが得られます。
3. 具体的な目標を設定する
目標の設定にSMART(具体的、測定可能、実行可能、現実的、期限付き)フレームワークを採用するのは、ありきたりかもしれませんが、それには「効果的である」という正当な理由があります。
目標に具体的な指標を含めて進捗状況を測定し、製品が付加価値をもたらしているかどうかを追跡します。また、製品チームが守るべき具体的な期限を目標で定めることも重要です。
より良い製品目標を設定するには: → 上から始める → 成功とは何か、そして進むべき道を定義する → 活用ポイントを理解する → ベースライン、成長、維持を把握する
4. 野心と現実の間のスイートスポットを見つける
優れた製品目標は、高い顧客満足度を確保すると同時にビジネス目標を達成し、製品チームに刺激を与えられる、野心的なものである必要があります。
しかし、目標は現実的でなければなりません。過度に野心的な目標を設定してそれを達成できないと、チームのモチベーションが低下し、ステークホルダーの信頼を失い、ユーザーを失望させることさえあります 。
製品目標を設定する際には、製品エンジニア、マーケティングチーム、セールスチームの意見を参考にして、野心と現実のバランスを取ることが重要です。
5. ユーザーのニーズを常に中心に据える
ユーザー固有のニーズこそが、製品目標の設定において原動力となるべきです。継続的にユーザーのニーズを発見できる方法を用いてユーザーに関する知識を常に深め、彼らが何を好み、何を嫌うか、何を望んでいるかを把握しましょう。顧客と常にコミュニケーションを取り、製品目標が彼らの製品体験と合致していることを確認する必要があります。
ユーザーが製品を使用する際に何を考え、どう感じたかに関するインサイトを継続的に提供するContentsquareのツールがここで役立ちます。例えば、アンケート機能を使用して、重要なページにフィードバックウィジェットを設定します。これにより、ユーザーはいつでも好きなときにページに意見を残すことができるため、このウィジェットを無期限に実行することで、継続的にユーザー体験を学ぶことが可能になります。
また、Contentsquareに定期的にログインして「ヘッドライン」をチェックすることもお勧めです。ヘッドラインは主要なユーザー指標における重要な変化を報告し、毎週自動的に更新されます。ヘッドラインを通じて、注意すべき新しい行動パターンや異なる行動パターンが報告されるため、ユーザーのニーズを常に把握できます。

Contentsquareのヘッドラインは、ユーザーの行動を一目で把握するのに役立ちます。
目標主導の製品イニシアチブを実行するための5つのヒント
データに基づいて意味のある製品目標を設定したら、次は目標を行動に移します。以下では、目標達成に役立つ製品イニシアチブの推進に関する5つのヒントを紹介します。
1. 目標達成に必要な要素を特定する
まずは現在、目標達成を妨げている要因を特定します。例えば、製品の機能、ユーザー、市場での認知度の不足などが挙げられます。
ただし、推測は禁物です。
徹底した製品調査プロセスを実行し、できるだけ多くのユーザーフィードバックを収集し(Contentsquare が役立ちます!)、ユーザーの新規登録を増やしながらリテンションと評価を高め、ユーザーのニーズを満たすと同時にビジネス目標を達成するのに必要な要素を把握します。
製品イニシアチブは、製品開発のどの部分にリソースを投資すべきかを定義する広範なテーマであることに留意してください。そのため、単一の機能やタスク以上のもので構成されます。例えば、「若いユーザー層にアピールするために、第3四半期末までにソーシャルメディア向けの共有機能とインテグレーションを開発すること」などが考えられます。
2. ステークホルダーやユーザーとイニシアチブを検証する
重点的に取り組みたい製品イニシアチブの大まかなアイデアが固まったら、先に進む前に必ず検証する必要があります。さまざまなステークホルダーと部門横断的な話し合いを行い、彼らの意見に耳を傾け、開発者を交えて技術的な視点を取り入れましょう。
また、製品イニシアチブをユーザーの視点から検証することも重要です。顧客インタビューやユーザーテスト、アンケートなどのツールを活用してイニシアチブに対するユーザーの反応を収集します。ユーザーに、「新しいツールや機能を使用するか」「それらの新機能がニーズをどのように満たすか」「そのために追加料金を支払ってもよいと思うか」尋ねてみましょう。
製品イニシアチブを進めながら、検証を継続する必要があります。実用最小限の製品や新機能が完成したら、オンサイトアンケートを実施し、イニシアチブを完了する前にユーザーの反応を確認します。
さらに、Contentsquareのヒートマップとセッションリプレイツールによって、ユーザーが新しいツールや機能をどのように操作しているかを俯瞰的に把握できます。ユーザーが新しい機能や製品、アップグレードをクリックしているか、どの程度うまく操作できているかを確認しましょう。
最善の方法は、主要技術課題のアプローチを用いることです。まず、部分的なプロトタイプを作成してテストを行い、主要な課題をどのように、どの程度のコストで解決できるかを把握します。
プロジェクト責任者は、次の段階に進むかどうかを決定できます。あるいは、現時点ではこの KTC を解決するための費用対効果の高い方法はなく、プロジェクトを棚上げする方がよいと判断する必要があるかもしれません。
3. イニシアチブを製品目標にマッピングする
通常、製品イニシアチブのタイムラインは製品目標よりも短くなりますが、特定の目標をいつ達成したいかに応じてイニシアチブを計画する必要があります。
例えば、年末までにエンタープライズユーザーの新規登録数を20%増やすという目標を設定した場合、エンタープライズユーザーの獲得に関連する製品イニシアチブのタイミングを定義する必要があります。
製品イニシアチブの成功を測定するために使用する主要業績評価指標(KPI)および目標と成果指標(OKR)が、製品目標に組み込まれている指標に対してプロットされていることを確認します。
プロダクトマネージャーは、製品開発の取り組みを製品目標と結び付け、適切な測定が行われ、賢明なビジネス上の意思決定が行われていることを確認する必要があります。そのためには、目標と取り組みの両方で使用される主要な指標を特定する必要があります。
4. 目標に応じて製品イニシアチブの優先順位を決定する
目標は、どの製品イニシアチブが最も重要であるかを決定し、イニシアチブの優先順位を決定するのにも役立ちます。
イニシアチブのメリットとコストを、時間、労力、リソースにおいて比較する費用対効果マトリックスのような決定フレームワークを使用する場合、目標を設定することで、どのメリットに重点を置くべきかを理解しやすくなります。
これにより、最も価値のあるイニシアチブに集中し、製品バックログの管理を効率化できます。
5. 製品イニシアチブについて伝える
製品イニシアチブは強力な戦略ツールです。製品チームが日常業務でタッチポイントとして使用できる共有の戦略ドキュメントに製品イニシアチブを結び付けます。
また、プロセス全体を通して、ステークホルダーにイニシアチブについて伝えることも重要です。経営陣や事業部門にとって、製品イニシアチブは、製品の機能やタスクがビジネス目標にどのように貢献するかを把握するのに最適な方法です。
製品の目標とイニシアチブを結びつける
目標達成に向けて足並みが揃った製品チームを構築し、ユーザーとステークホルダーを満足させるには、製品目標が製品イニシアチブを推進することが重要です。
しかし、その関係は一方通行ではありません。製品目標が製品イニシアチブを形作り、イニシアチブを実行する中で学んだことは、新しい製品目標に反映されます。
設定した製品目標からイニシアチブが逸脱し始めたら(特にフィードバックに基づく改善サイクルを行っている際に)、製品目標とワークフローを見直し、何が間違っていたのか、目標がまだ適切であるかどうかを確認しましょう。
相互に補完し合う製品目標と製品イニシアチブを定義することで、日常的な製品ワークフローが動的で柔軟な調整が可能であることを保証し、ユーザーと組織の両方に価値をもたらすことができます。

![[Visual] Contentsquare's Content Team](http://images.ctfassets.net/gwbpo1m641r7/3IVEUbRzFIoC9mf5EJ2qHY/f25ccd2131dfd63f5c63b5b92cc4ba20/Copy_of_Copy_of_BLOG-icp-8117438.jpeg?w=1920&q=100&fit=fill&fm=avif)

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