【CSQ Growth30分ウェビナー】もう迷わせない!ロストジャーニーを解明するUX改善術 →
オンデマンドで見る
Guide

「プロダクトの積極的な利用」とは何か?その適切な測定方法とは?

Leveraging data to learn exactly what customers want — Cover Image

どうすれば、ユーザーが自社のプロダクトやサイトを、それらの意図された目的のために利用を開始したかどうかを知ることができるでしょうか?ユーザーがプロダクトから価値を得られるようにすることは、たまにしか自社プロダクトを使わないユーザーが、代わりになる他のプロダクトを探すのをやめ、自社ソリューションを日常のプロセスに組み込み、「定着した」パワーユーザーとなるように導く上で非常に重要です。

ここで、プロダクトの利用促進が大きな役割を果たします。このガイドでは、以下を含む、プロダクトの利用促進プロセスに関して理解しておくべきポイントについて解説します。

  • 「プロダクトの積極的な利用」とは何を意味するのか

  • 「利用」と「獲得」の違い

  • プロダクトの積極的な利用を促進することがビジネスにとって重要な理由

  • プロダクトの利用促進において追跡すべき成功指標

  • プロダクトの積極的な利用につながる6つのステージ

  • プロダクトの利用曲線

  • プロダクトの利用率向上に役立つ質問

  • 利用を促進するために、プロダクトのどの部分に注力すべきか

  • プロダクトの利用促進に役立つツール

Contentsquareで製品採用を増やす

製品アナリティクスとエクスペリエンス・アナリティクスを使用して、製品採用を測定し、改善する。

「プロダクトの積極的な利用」とは何を意味するのか

「プロダクトの積極的な利用」は、人々がプロダクトやアプリについて知り、自分たちの目標を達成するためにそれらをの使用を開始するプロセスを意味します。

また、「プロダクトの積極的な利用」は、ある一連の行動を行う初回ユーザーの割合を表すこともあります。企業の使命は、プロダクトがユーザーに価値をもたらしていることを証明する行動を特定することにあります。

「利用」と「獲得」の違い

  • 「獲得」では、自社サイトに人々を呼び込むことが重視され、彼らがプロダクトやアプリの価値を知り、目標を達成するためにそれらの利用を開始するあらゆるプロセスが含まれます。

  • 「利用」では、訪問者をユーザーに変えることに重点が置かれます。この指標には、ユーザーがアクティベートされ、維持される期間が含まれるため、長期的なプロダクト指標(LTV、ARR、リテンションなど)の予測において獲得率よりも信頼できます。

何千人という顧客を獲得しても、彼らがプロダクトを使わなければ、長期的な目標を達成することはできません。どの行動がエンゲージメントやリテンションと相関するのかを発見することは重要ですが、ビジネスのためには、ユーザーが実際にそれらの行動を取っているかどうかを調べる必要があります 。

プロダクトの利用を促進することがビジネスにとって重要な理由

答えは単純に「利用率が高い=ユーザー層が大きい」ためであり、利用率はプロダクト・機能リリースの成功度を判断する重要な基準となります。

  • ユーザーがプロダクトを利用するかどうかは、プロダクトとの最初の数回の経験にかかっています。新規ユーザーに価値をもたらすアクションを把握し、獲得後すぐにこれらのアクションを繰り返すように促すことが重要です。

  • 「マーケティングの成功=利用における成功」ではありません。単に何千人もの新規訪問者を獲得しただけでは利用における成功を意味しません。ユーザーが適切な行動をとる必要があります。

  • プロダクトの利用が少し増えるだけで、大きな成果が得られます。ユーザーが最初から成功を収めれば、彼らの価値は早期に高まり始め、長期にわたって蓄積されます。

  • 高いプロダクトの利用率はリテンションの向上につながります。プロダクトを発見して積極的に利用するユーザーは長くエンゲージし、その間により多くの予算を費やす傾向があり、ビジネスに予測可能な収益をもたらすためです。

実際、プロダクトの利用促進は、以下を含むほぼすべての主要な成長指標に影響します。

  • 顧客生涯価値(CLV)

  • リード獲得単価

  • 顧客獲得単価(CPC)

  • 平均ユーザーMRR

  • コンバージョン率

  • リテンション率

  • 解約率

プロダクトの利用促進において追跡すべき成功指標

「利用」を測定するには何をカウントすればよいのでしょうか?利用の定義は簡単で、ウェブサイトやアプリを、それらの意図された目的のために使用することを意味しますが、それを測定するのは容易ではありません。

「利用イベント」は、新規顧客がプロダクトから価値を得ていることを最もよく示す、プロダクトに関するアクションであるべきです。例えば、ページビューは適切な選択肢とは言えません。ページビューは追跡しやすく、簡単に測定できますが、誰かが価値を得ていることを示すことはほとんどありません。

以下は追跡すべき役立つ指標の一部です。

  • 新規登録から最初の重要な行動を起こすまでのコンバージョン率

  • Time to Value(TTV、価値実現までの時間)、すなわち主要なアクティベーションイベントに到達するまでの時間

  • ユーザがオンボーディングフロー、あるいはチュートリアルを完了したか

  • それが、使用頻度や機能の利用と、どの程度密接に相関しているか

  • 購入頻度

また、異なるイベントの指標を組み合わせ、プロダクトから価値を得ていることを最も正確に示す組み合わせを確認することもできます。これらのパターンを最もリテンション率の高いコホートと比較することで、どの利用行動がリテンションにつながる可能性が最も高いかを把握できます。

例:HelloSign

HelloSignは、ユーザーが文書にデジタル署名できるようにするプロダクトです。新規登録したユーザーは、以下のいずれかの操作を行う可能性があります。

  • 文書のアップロード

  • 署名のリクエスト

  • チームメンバーの追加

  • 連携機能の有効化

  • 有料プランへのアップグレード(最も理想的)

これらのアクションはいずれも「利用」としてカウントされる可能性があります。そのため、「アクションXが何回起こったか」「アクションYが何回起こったか」、そして「これらのアクションのうち、どれがリテンションやCLVに最も相関しているか」を把握することが重要になります。

Contentsquareで製品採用を増やす

製品アナリティクスとエクスペリエンス・アナリティクスを使用して、製品採用を測定し、改善する。

プロダクトの利用における6つのステージ

個々のユーザーは以下のステージを経てプロダクトの積極的な利用を開始します。

  1. 認知:潜在顧客はプロダクトの存在を認識したものの、それがどのように自分たちの問題を解決できるか分かっていません。このステージでは、自分たちが問題を抱えていることにすら気づいていない可能性があります。

  2. 興味:プロダクトについてリサーチし、どのように役立つかを理解します。潜在顧客が知りたいプロダクトに関する詳細は、彼らのニーズや利用者プロファイルによって異なります(詳しくは後述を参照)。

  3. 評価:プロダクトを競合と比較し、デモやトライアル、または無料アカウントに登録するかどうかを決定します。このステージでは通常、ユーザーレビューや比較ページを読んだり、価格情報をリクエストしたりします。

  4. 試用:プロダクトが自分たちのニーズやプロセスに合うかどうかを確認するために試用します。

  5. アクティベーション:初めて価値を実感し、プロダクトに投資する価値があると確信します。

  6. 利用:顧客はプロダクトの価値を確信してその使用を習慣化し、プロダクトが日常生活や仕事の一部となります。

プロダクトの利用曲線

プロダクトの利用は曲線を描き、ユーザープロファイルによって、新しいプロダクトに対する態度が異なります。

  • まず、「イノベーター」と呼ばれる、テクノロジーに精通し、リスクを負うことを厭わない小さなグループが現れます。彼らは新しいプロダクトの発見を楽しみ、そのソリューションが自分たちの問題を解決するという証拠がなくても(おそらく認知や興味のステージ)、積極的に試します。

  • 次に、「アーリーアダプター」の登場です。彼らもテクノロジーに精通し、リスクを負うことに前向きですが、若干用心深く、数人のイノベーターがテストした後でないと、プロダクトを試したがりません。

アーリーアダプターの後は、次のグループを満足させられる程度にプロダクトが進化し、バグがなくなるまでほとんど採用されない「キャズム」が生じる傾向があります。

  • アーリーマジョリティ」は、リスクを嫌い、それほどテクノロジーに精通していません。このようなユーザーは、試す前に、プロダクトが自分たちの問題を解決してくれるという確かな証拠を欲しがります。彼らは、興味、評価、トライアルのステージで、時間をかけてプロダクトを徹底的にチェックする可能性が高いです。

  • 次に現れるのが「レイトマジョリティ」で、プロダクトが自分たちの問題を解決し、他のユーザーからも評価されているという強力な証拠を求めます。また、バグの多いプロダクトや開発途中のプロダクトに対する許容度が低い傾向があり、相当数の好意的なレビューが集まるまではトライアルを申し込む可能性が低いです。

  • 最後がプロダクトの利用開始が最も遅い「懐疑的なラガード」です。リスク回避志向が強い上、テクノロジーに疎く、新しいプロダクトの使用を嫌うため、説得に時間がかかります。彼らは多くの場合、問題による苦痛に耐えられなくなり、既存のソリューションに代わるものを探さざるを得なくなるまで、長い時間を認知のステージで過ごします。

これらの異なるユーザーグループを理解することで、プロダクトの利用の各ステージにおいてそれぞれのグループによる利用率を高められるプロダクトの利用促進戦略を策定・実施することが可能になります。

プロダクトおよびその機能の利用率向上に役立つ質問

アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードに属す新規顧客に最も効果的なアピール方法を見極める必要があります。彼らは最新の機能を見つけ、それに興味を示していますか?また、既存顧客がライフサイクル全体を通じてプロダクトにどれだけの金額を費やし、どれくらいの頻度で購入しているかを知ることも重要です。以下について自問してみましょう。

  • プロダクトにおける新規ユーザーの定着度はどれくらいか?

  • イノベーターやアーリーアダプターにとって魅力的か?

  • 潜在顧客のどの行動がもっとも利用につながりやすいか?

  • 最も利用率の高い獲得チャネルは何か?

  • 利用開始のスピードがリテンション率に与える影響は?

プロダクトの利用指標を適切に測定するには、ユーザー行動を追跡し、定性データと定量データを組み合わせ、そのデータをサポートシステムに送信できるテクノロジースタックが必要となる可能性が高いことに注意してください。このようなスタックには、どの行動が利用と相関しているかを正確に把握することを可能にする、Contentsquareのようなプロダクトおよび行動に関する分析ソリューション(詳しくは後述を参照)を含める必要があります

積極的な利用を促進するために、プロダクトのどの部分に注力すべきか?

利用の促進では、ユーザーに初めて「これは便利!」と思わせることが重要になります。そのため、通常、プロダクトの以下の要素に焦点を当てます。

  • カスタマーオンボーディングを通じて、新規ユーザーがすぐに価値を見いだせるよう支援します。

  • プロダクトを積極的に利用している新規ユーザーが主要機能を見つけ、それらの利用を促すアクションを完了しやすくするプロダクトデザインを使用します。

  • プロダクト内のメッセージング機能とチュートリアルを通じて、ユーザーがプロダクトの利用を開始する際に、プロダクトに関するガイダンスを提供します。

  • カスタマーサクセスのワークフローを導入し、利用を妨げるあらゆる障害に素早く対処して解決します。

  • 行動データを通じてプロダクトチームが顧客から学び、ウェブサイトやプラットフォームの更新を計画し、人気のある機能を強化しながら不人気な機能を廃止して全体的なユーザー体験を改善できます。

プロダクトの利用促進に役立つツール

理想的なプロダクトの利用促進スタックには、ユーザー行動から導かれた変更を展開するのに役立つ複数のソリューションが含まれます。

  • ユーザー行動とプロダクトに関する分析ツールContentsquareのProduct AnalyticsExperience Analyticsのようなツール は、長期的な価値の創出につながる可能性が最も高い行動を特定し、その行動を促す改善策を講じてテストし、各変更がカスタマージャーニーにもたらす効果を測定するのに役立ちます。これは、プロダクトの利用促進スタックにおいて最も重要なソフトウェアであり、以下で説明する機能を備えた分析ツールの活用をお勧めします。

  • マーケティング・オートメーション・ソフトウェア。MarketoHubSpotのようなプラットフォームは、プロダクト関連のキャンペーン、オンボーディングフロー、ソリューションの使用に関するタイムリーなアドバイスをユーザーに提供するのに役立ちます。ユーザーがこのようなキャンペーンのメッセージを読んで行動することで、より迅速に価値を見い出す可能性が高まり、結果的にプロダクトと機能の両方の利用率が向上します。

  • プロダクト主導の成長プラットフォーム。AppcuesWalkMeのようなソリューションによって、通知や顧客からのフィードバックをプロダクト内で直接表示し、プロダクトの使用方法を素早く学べるガイドやツアーをユーザーに提供できます。すでにプロダクトを使用しているユーザーからのフィードバックを継続的に収集し、最も価値のある顧客セグメントからのフィードバックをロードマップに反映させることが可能になるため、ユーザのために開始した機能をユーザーが見逃すことがないようにすることができます。

  • テストプラットフォーム。OptimizelyAB Tastyなどのツールを活用することで、定期的なテストを効率的に実施し、新しいプロダクトや機能、ウェブサイトの変更による影響を迅速に測定することが可能になり、主に利用率の向上につながる可能性が高いタスクに集中できるようになります。

  • 顧客フィードバックツール。DelightedUserVoice、Contentsquareなどのソリューションは、すでにプロダクトを利用している顧客を対象にアンケートを実施するのに役立ちます。これにより、最もエンゲージメントレベルが高い顧客層からの回答に簡単に対応し、ウェブサイトやアプリに最大限の価値をもたらすアップデートを行うために必要なデータを得ることができます。

  • カスタマーサポート・ソリューション。IntercomDriftのようなカスタマーサポート・プラットフォームは、顧客をセグメント化してトリアージし、解約を減らすのに役立ちます。これにより、すでにプロダクトを利用しているユーザーから学び、将来的に利用の増加につながる可能性が高い変更をロードマップに加えることができます。

プロダクトの利用促進において最も重要なプロダクト分析機能とは?

プロダクトにおけるユーザー行動を分析するツールは世の中にたくさんありますが、プロダクトの利用促進に役立つ適切なツールを選ぶ必要があります。そこで、以下の機能を備えたツールをお薦めします。

1. 自動イベント追跡

どのようなユーザー行動が利用を促進するのかを正確に理解するためには、それらすべてを追跡できる必要があります。

プロダクトアナリティクス・プラットフォームの中には、イベントや行動を手動で追跡しなければならないものも存在します。その場合、事前にそれらをすべて選択し、実装時にエンジニアがコードを書く必要があります。

ここで問題となるのが、どのアクションや行動が利用を促進するかは、それらすべてを一元的に分析できるまで分からないということです。

自動的にイベントを追跡するツールによって、このジレンマを解決できます!たった一度、コードスニペットをインストールするだけで済むため、エンジニアのサポートは不要です。いつでも、何でも調べることができます。

2. データサイエンス

データを掘り起こすのにすべての時間を費やさなければならないとしたら、必要な情報を見つけることはできません。最近の優れたプロダクトアナリティクス・ツールはデータ科学に基づいた機能を備えているため、ユーザーに代わってデータを分析し、注意を払う必要があるプロダクトの領域を教えてくれます。

3. セッションリプレイ

セッションリプレイによって、ユーザーがデジタルプロダクトでとった行動を動画で再生し、定量的なデータに定性的なコンテキストを追加できます。リプレイ機能はファネルの構築、イベントの定義、フリクションが発生した状況の調査において不可欠です。

そして最も重要なポイントは、リプレイ機能を分析プラットフォーム内で利用できる場合、サードパーティのアプリケーションにデータをエクスポートするという複雑なプロセスが不要になるということです。

4. 緊密なインテグレーション

マーケティング、セールス、テスト、カスタマーサクセスチームのデータをプロダクトアナリティクスと組み合わせることで、全体像を把握できます。

優れたツールには、APIや一般的な連携機能があらかじめ組み込まれているため、正規化されたプロダクトアナリティクスのデータをMarketoやIntercomのようなアプリと簡単に共有できます。

🏆 プロダクトの利用促進:顧客を満足させるために不可欠

ユーザーがプロダクトの価値を理解すると、それを日常生活の一部として使用し、他に代わりのプロダクトを探さなくなる可能性が高まります。その結果、満足度の高い顧客が増え、安定した収益ストリームを確保できます。

ユーザーが「これは便利!」と思う瞬間、つまり、プロダクトが自分たちの問題の解決にどのように役立つかを正確に理解する瞬間に素早くたどり着けるように支援してプロダクトの利用を促進することが重要です。これは、デザインからマーケティング、カスタマーサクセスに至るまで、すべての活動の中心にプロダクトの利用促進を据えることを意味します。プロダクトの利用率が高いチームは絶えず改善策を探し求め続けます。

Contentsquareで製品採用を増やす

製品アナリティクスとエクスペリエンス・アナリティクスを使用して、製品採用を測定し、改善する。

Contentsquare

Contentsquareは、カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上に取り組む、世界的に多くのブランド企業から信頼を寄せていただいているプラットフォームです。 本記事では、ベストプラクティスから最新のデジタルトレンドまで、幅広いコンテンツをカバーしています。これを通じて、顧客に愛されるデジタル体験を創出するために必要な知識を学びましょう。ぜひ、お楽しみください!