
ソニーネットワークコミュニケーションズでは、「NURO 光」を中心に、「NURO Mobile」「NURO 5G」「NURO Biz」など、「NURO」ブランドのもとで多彩なネットワークサービスを展開しています。
「NURO 光」のデジタル顧客接点においては、営業力の向上を目的に、集客からコンバージョンまでの一連のプロセスを強化しており、その中核を担うツールとして、デジタル顧客体験分析プラットフォーム「Contentsquare(コンテンツスクエア)」を活用中です。
同本部のキーパーソンに話を聞きました。
【お話をうかがった方】
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 NURO事業部 ダイレクトセールス推進部 ダイレクトセールス1課 課長 中山 直哉 氏
Contentsquareを選び続ける理由
ーー Contentsqureについては、2023年に導入の経緯などについてお話をうかがいましたが、現在も引き続き、ご利用いただいています。
「NURO」はもともとSo-netのサービスのひとつとして提供されていましたが、2021年に独立したサービスブランドとして再スタートしました。ContentsquareはSo-net時代から継続的に活用しており、現在も毎年度、他ツールとの比較検討を行ったうえで契約を更新しています。
比較対象として複数のヒートマップツールを試していますが、細部の使い勝手や拡張性においてContentsquareに優位性があります。たとえば、他社ツールではタップ数の計測をページ単位で個別実装する必要がありますが、ContentsquareはHTML要素を自動認識してくれるため、追加実装なしで計測が可能です。
さらに、他社ツールではセッションリプレイ機能がなかったり、Adobe Analyticsとの連携に追加設定が必要なケースもありますが、Contentsquareではそれらがスムーズに行えます。また、セグメントの作成が数クリックで完結するなど、日常的な分析作業も効率的です。
こうした点を総合的に評価し、必要な機能を最もバランスよく備えているのがContentsquareだと考えています。実際、ヒートマップやスクロール割合のデータは社内報告書や分析レポートにも頻繁に活用されており、意思決定を支える重要なツールとして定着しています。
—— Contentsqureは、AIの「Sense」など新機能も追加していますが、そういった機能は利用されていますか。
新機能が追加されると、使い方の説明がポップアップで表示されるので、「チャット形式で分析データを得られる」という仕組み自体は理解しています。実際に活用はまだしていませんが、機能の概要や使い方のイメージはつかめました。
現状では、一部のメンバーがセッションリプレイのAI要約機能を試しています。ただ、やはり正確に理解するにはリプレイを直接確認する必要があり、現時点では補助的な使い方にとどまっています。今後は、分析の入り口として活用する機会が少しずつ増えていくのではないかと感じています。
Contentsquareは頻繁にアップデートが行われており、利用者側でも最新情報をキャッチアップする必要があります。新機能の追加履歴や更新内容をまとめて確認できるようになると、さらに理解しやすくなると思います。

日常業務に根づく活用 ― 仮説構築からABテスト検証まで
—— 普段、Contentsqureをどのように活用していますか?
主にABテストやサイト改修を検討する際に、課題の抽出や仮説の構築のためにゾーニング機能やセッションリプレイを活用しています。
私たちのチームには、電話やチャットでお客さま対応を行う窓口担当から情報が共有されてるので、たとえば「最近、工事関連の問い合わせが増えている」といった情報があれば、Contentsquareを使って、該当ページのクリックやスクロールの状況を確認し、課題を特定して改修案を検討します。
また、ABテストの結果確認や改修効果の検証にもContentsquareを利用しています。ABテストにはAdobe Targetを使用しており、設定したデフォルトパターンとテストパターンの情報がContentsquareに連携されます。
そのため、各パターンにおけるクリック率やスクロール率を比較しながら、成果の違いを可視化しています。
—— ABテストを実施する中で気づいたことはありますか?
あるサービスで、「料金や入会特典に関する問い合わせが多い」という課題がありました。そこで、トップページに申込後の毎月支払額を一覧で示した料金表を追加したところ、全体のコンバージョン率には大きな変化は見られませんでしたが、初回訪問者と再訪問者で結果に違いが出ました。
初回訪問者のコンバージョン率は下がり、再訪問者のコンバージョン率は上昇していたのです。
セッションリプレイを確認すると、初回訪問者は料金表をほとんど見ずに離脱していました。つまり、初回訪問時には「初月はいくら」「2〜13ヶ月目はいくら」といった詳細情報までは求められていなかったのです。
この経験から、訪問者のセグメントによって、どの程度の情報を提示するべきかが変わるという重要な気づきを得られました。
分析事例:スマホサイト改修とフォーム改善
—— Contentsqureを使った施策で成果が出ているものはありますか?
一つは、スマートフォン向けに実施した、NURO総合トップページの改修です。このページは検索結果の上位に表示され、個人・法人向けを含む各種サービスを紹介しています。
現在はサービスを表示する枠全体がクリック可能になっていますが、以前は「詳細を見る」というボタン部分のみにリンクが設定されていました。
Contentsquareでタップ率を分析したところ、リンクが設定されていない箇所をタップしているユーザーが非常に多いことが判明しました。そこで、枠全体をクリック可能にしたところ、クリック率が2〜3ポイント上昇し、割合で見ると約15%改善しました。検索経由の流入が多いページだけに、影響は非常に大きなものでした。

もう一つの事例は、集合住宅向けサービス(現在は受付終了)の申込フォーム改修です。
申込み完了後に「ありがとうございました」というメッセージを表示していましたが、セッションリプレイを確認すると、完了後に再び「ご利用までの流れ」ページに戻ったり、工事関連の情報を探しているユーザーが多いことに気づき、申込み完了画面に課題があることを発見しました。
チャットログを確認すると、「工事予約の方法」「事前準備の流れ」など、工事関連の問い合わせが多発していました。しかし、入会窓口のチャットは、工事に関する問い合わせは対応範囲ではないので、別のサポートを案内していました。お客さまには、ご面倒をかけていたと思います。
入力フォーム自体の改修はすぐに対応が難しかったため、まずはポップアップで工事案内を表示し、工事関連ページへのリンクを追加しました。

その結果、入会窓口のチャットの利用率が38%減少しました。対応対象外だった工事関連の問い合わせ自体を減らすことができ、ユーザー満足度にもつながる改善でした。
ポップアップのリンクのクリック率も24%と非常に高く、お客さまが求めている情報を的確に提供できたと感じています。
データ活用の先に描く、1to1の顧客体験へ

—— ツールの連携などの期待はありますか?
現在は、Adobe Analyticsと連動させて便利に使っています。今後は、コールセンターの機能の一つであるチャットボットとの連携にも期待しています。
たとえば、チャットのユーザーIDをもとに「どのような行動を経て問い合わせに至ったのか」を分析できるような仕組みがあれば、サポートや改善にさらに活かせると思います。
問い合わせ手段としては、電話、チャットボット、有人チャットがありますが、電話についても将来的にはWeb会議のソリューションを導入し、Web上で音声通話が完結できる仕組みを検討しています。
—— 新しい取り組みはご検討されていますか。
現在、マーケティングオートメーションを検討しています。組織として今後、よりパーソナライズされた体験の提供に力を入れていきたいと考えています。
これまでABテストを繰り返してきましたが、ABテストは多数派に合わせるアプローチであり、少数派のニーズを取りこぼしてしまう面もあります。
今後もテストは継続しつつ、お客さま一人ひとりが期待する体験を届けるためのパーソナライズ化を進めたいと考えています。
その中でもマーケティングオートメーションを活用し、Web接点にとどまらず、メールやLINEなどのチャネルを横断的に連携し、情報収集と活用の自動化を図ることを目指しています。
—— 今後、どのような方向性を目指していますか。
チャットをはじめとするWeb上の体験は、基本的にお客さまからのアクションがあって初めてコミュニケーションが始まります。今後は、メールやLINE、アプリなども含めて、より継続的な対話を実現し、1to1に近いコミュニケーションを目指していきたいと考えています。
お客さまとの関係を一時的なもので終わらせず、長期的な信頼関係として育てていくことが、これからの大きなテーマです。


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