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リニアファネルの終焉:現代のカスタマージャーニーが直線的でない理由

[Stock] Unlocking the power of customer journey visualization – Step by step — Cover Image

従来のマーケティングファネルは何十年にもわたり、ビジネスに役立ってきました。潜在顧客を認知から検討、そして最終的にコンバージョンへと導く、簡潔で納得のいくモデルです。ファネルのトップでリードにアプローチして育成し、ユーザーが有料顧客として満足しながらファネルのプロセスを終えるまでフォローする、明確で理論的なフレームワークをデジタルチームに提供してきました。

しかし正直なところ、ほとんどの場合、これが真実とはかけ離れていることは周知のとおりです。

顧客が実際に自社のデジタルチャネルをどのように利用しているかを考えると、現実は、はるかに混沌としていることが分かります。顧客は単純で予測可能なパスを辿るわけではありません。ブラウジングし、他のことに気を取られたり、デバイスを切り替えたりしながら離脱し、戻ってくることがあります。例えば、ソーシャルメディアの広告を見てホームページを飛ばして価格ページに直行した後、数週間サイトを訪れず、その後また戻ってきてコンバージョンに至る、といったケースも考えられます。

ユーザーをサポートして導くためにウェブサイトを設計したつもりでも、実際にユーザーがどのようにウェブサイトを利用しているのかを本当に理解していますか?頭に思い描く洗練されたファネルと、カスタマージャーニーの複雑で興味深い現実との間に乖離があることは、今日のデジタルビジネスにとって最大の課題であると同時にチャンスでもあります。

この問題を解決するためにファネル分析の概念が考案されました。しかしファネル分析は、事前に決定されたステップをトラッキングするのには最適なものの、本当の意味でユーザージャーニーが存在する、これらのステップのでのユーザー体験をキャプチャーしないという意味で静的であると言えます。

ファネルに関する誤った認識:限られた可視性の物語

ファネル分析は、その役割において非常に貴重です。事前に定義された一連のステップをトラッキングしてユーザーがどこで離脱しているかを示し、特に決済プロセスやサインアップフローの分析に最適です。例えば、決済のステップ3でユーザーの40%が離脱していることが分かれば、最適化の取り組みをそこに集中させることができます。これは、事前に定義された直線的なパスを分析するための強力なツールです。

[Visual] Funnel analysis

しかし、ここで重要な疑問があります。これらのステップの間で何が起こっているのでしょうか?

ファネル分析によって、まるで映画のワンシーンのように綺麗にカットされた状況を確認できますが、全体的なストーリーを把握することはできません。ユーザーがA地点からB地点に移動したことは分かっても、その間に起こった広大で複雑なインタラクションの世界に関するコンテキストは一切提供されません。以下はファネル分析では得られないインサイトの一部です。

  • 顧客がカートに商品を追加するきっかけとなったコンテンツ

  • 商品ページに戻る前に訪問した他の3つのページ

  • ファネルからの完全な離脱につながった、イライラさせるポップアップやリンク切れ

  • 一旦サイトを離れ、サードパーティのレビューを読んでからサイトに戻ってきて購入を完了したという事実

[Visual] Complex funnel analysis

本質的に、ファネル分析は顧客が「どこ」で「何」から離脱したのかを示しますが、「なぜ」についてはほとんど、あるいは全くインサイトを提供しません。顧客が離脱したことは分かっても、その原因を知ることはできないのです。現代のカスタマージャーニーは決して一直線ではないため、これは特に問題となります。顧客は自ら主導権を握り、チャネルやタッチポイント間を流動的に移動しています。購入に至るまでにブランドと何度か接触することも少なくありません。

ファネル分析の限られた視点だけでは、長期的なロイヤルティを築き、大きな収益を生み出せるように顧客体験全体を最適化することはほぼ不可能です。決済フローを改善できたとしても、顧客がナビゲーションやコンテンツ、商品の見つけやすさに依然として不満を抱いている場合、より大きなパズルのほんの一部を解いたに過ぎません。

混沌を受け入れる:ジャーニー分析の台頭

ファネルでは顧客体験のストーリー全体を理解できないとしたら、一体何でそれが可能になるでしょうか?答えは「ジャーニー分析」です。

顧客がどのように行動すべきかという想定によって制限される従来のファネルとは異なり、Contentsquareのジャーニー分析機能は、顧客が実際にサイトをどのようにナビゲートしているかを示します。ジャーニー分析は、事前に定義された直線的なパスに限定されることなく、すべてのクリック、スクロール、インタラクションをマッピングし、実際のユーザー行動を可視化します。

[Visual] Journey analysis

ジャーニーは単一の固定されたファネルではなく、パスのネットワークを可視化することで顧客体験の全体像を提供します。ジャーニー分析によって、ファネル分析では決して分からない、興味深く、驚きをもたらすことが少なくないインサイトが得られます。以下はその一部です。

  • 実際にユーザーが最初にアクセスするページ:ユーザーのジャーニーはホームページから始まると考えている人が多いかもしれませんが、ジャーニー分析によって、トラフィックの大部分がブログや広告でリンクされた商品ページ、または専用のランディングページに直接アクセスしていることが分かります。このようなインサイトは、ファネル上部のコンテンツを最適化する上で非常に重要です。

  • 実際にユーザーが行う次の行動:ファネル分析では、ユーザーが商品ページからカートへ進むと想定されています。ジャーニー分析では、商品ページを見たユーザーの多くがまず「会社概要」ページへアクセスするか、またはカスタマーレビューを読むことが明らかになり、購入を決定する前にソーシャルプルーフを必要としていることが示唆される場合があります。

  • 実際の離脱ポイントとそのコンテキスト:ユーザーが離脱すると、ファネル分析では離脱したことのみが示されます。しかしジャーニー分析では、そのコンテキストも明らかになります。技術的なエラーが発生したページから離脱したのか?数時間後に戻ってきて記入するつもりで詳細なフォームを残したのか?こうしたインサイトによって、問題がある離脱(フラストレーションが原因)なのか、それとも複数セッションにわたるジャーニーの一部に過ぎないのかを判断できます。ユーザージャーニーを10%以上深めることができた(つまり、セッションあたりのページ閲覧数を増やすことに成功した)ウェブサイトでは、コンバージョン率が5.4%向上することが報告されています。これは、フラストレーションの発生場所を理解することが、コンバージョンにおいて非常に大切であることを物語っています。

単一セッションを超えて:ユーザーライフサイクル全体をマッピング

ジャーニー分析の真の力は、複数の訪問やセッションにまたがるパターンを明らかにできることにあります。今日、ユーザーが初回訪問でコンバージョンに至ることは稀です。彼らは情報を収集して比較し、ときに他のことに気を取られたりしながら、再び戻ってきます。そのため、ユーザーライフサイクルを理解するための包括的なアプローチが極めて重要になります。

カスタマージャーニーを完全に理解するには単一セッションでのコンバージョンの先を見る必要があります。また、セッションを終了した顧客が後で戻ってくることが多い点も注目に値します。例えば、朝の通勤中にスマートフォンで商品を閲覧した顧客が、その日の夜にパソコンからサイトにアクセスして購入するといったケースが考えられます。これらのセッションを結び付け、どのマーケティングチャネルを通じて顧客が誘導されてきたのかを把握できるツールがなければ、全体像を把握することは不可能です。

[Visual] Journey Analysis - healthy access

ジャーニー分析によって、「通常、ユーザーはコンバージョンに至るまでに何回戻ってくるか」という、ユーザーのライフサイクルに直接影響を与える重要なインサイトを可視化できます。このような情報を活用することで、即時のコンバージョンに向けて最適化しつつ、一度購入したユーザーをリピーターに変える長期的なロイヤルティを構築するという、バランスがとれた取り組みが可能になります。ユーザーの道のりは短距離走ではなく長距離マラソンであることを認識し、ユーザーの現状に合わせたナーチャリング戦略を設計することをお勧めします。これにより、単一セッションの訪問者を長期的なユーザーセグメントへと転換できます。

個々のユーザーが感じているフラストレーションの理由を深く探る

全体像を映し出すジャーニーマップは全体的なトレンドに関する強力なインサイトを提供しますが、このアプローチの真価は、個々のユーザーレベルまで掘り下げて分析できる点にあります。これにより、編集されていない、ありのままの顧客体験のストーリーを確認できます。

個々のセッションリプレイと、それに対応するジャーニーパスを調べることで、反応しないボタンに対するレイジクリックや、コンテンツの構成が分かりにくいページでの過度のスクロール、製品ページとハウツー記事を何度も往復している状況など、フラストレーションが発生した瞬間をピンポイントで特定できます。実際、Contentsquareの「2025年版デジタルエクスペリエンス・ベンチマーク」レポートによると、ウェブサイトでは、1000セッションあたり平均して401件のフラストレーション要因(エラーやユーザー体験(UX)の悪化など)が発生しています。こうした小さなフリクションが積み重なってユーザーのフラストレーションがたまり、機会損失につながります。

そして共通のフラストレーション要因を正確に特定することで、特定のユーザーコホートを作成して活用することができます。ここでContentsquareのユーザー機能が役立ちます。これは、サイトを訪れたすべてのユーザーを確認できる中央ハブとして機能し、過去の全セッションのリストを含む、あらゆるユーザーの詳細なプロファイルへのアクセスを可能にします。これにより、ユーザーのセッションリプレイを確認し、何が起こったのか、なぜ不満を感じたのかを正確に把握できます。

例えば、特定のページでレイジクリックを行ったすべてのユーザーをグループ化できます。こうしたインサイトにより、根本的な問題を解決できるだけでなく、フォローアップメールやパーソナライズされたオファー、サポートメッセージなどを通じて、そのセグメントに積極的にアプローチできます。また、このようにきめ細かな情報を活用することで、プロアクティブで、人に寄り添ったサポートを大規模に提供することが可能になります。

さらに、便利なユーザーIDツールを有効にすると、CRMなど他のツールのユーザーIDを紐付けすることができます。これにより、匿名セッションを、サイト閲覧時にログインしていなかった既知のユーザーと結び付け、個々のユーザーのジャーニーをより包括的に把握できるようになります。

[Visual] user identity

これは単にバグを修正するためだけではありません。顧客と人間的なレベルでつながること、つまり顧客の悩みを理解し、シームレスな体験をスムーズに提供することが目的です。既存のシステムにすでに存在するIDデータを活用することで、顧客を効率的にサポートし、永続的な関係の基盤を築くための最適な環境を整えられます。さらに、ContentsquareのAI機能「Sense」は、これを大規模に実現し、数分で重要なインサイトを可視化できる上、次に確認すべきポイントを提案します。

[Visual] CSQ-Frustration-Score

最終的に重要なのは目的地だけではなく、ジャーニー全体です。そして、そのジャーニーの複雑で興味深いストーリーを完全に理解することで、より優れたウェブサイトだけでなく、より優れたビジネスを構築することが可能になります。