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    デジタル顧客体験のリーダーのコミュニティ型イベントを開催 ~モビリティの革新者WILLER が戦略と施策を共有~

    コロナ禍を経た今、あらゆる業界・業態のブランドにとって、ウェブサイトやモバイルアプリなどはこれまで以上に重要な顧客接点になっています。それにもかかわらず、いまだオンラインにおける顧客体験を戦略上どのように位置づけ、組織的な取り組みとして具体的に何を、どのように推進すればよいのかに戸惑っていらっしゃるブランド運営者が多いのも実情です。 「オンラインのCX向上に向けて的確な打ち手が見つからない」「取り組みはじめてはいるが、まだ手探りでプロセスが確立できてない」「属人的であり、組織的な推進ができていない」。…こんな声が聞こえてきます。 そこでコンテンツスクエア・ジャパンは、デジタル体験(Digital eXperience)の改善を推進するリーダーの皆さま同士のつながりを支援し、あるべき像や課題に対する取り組みについて共有・ディスカッションするクローズドな場として、「DX Club」を立ち上げました。 その第1回目の活動として、2023年10月25日に東京都内でコミュニティ型のイベント「DX Club Tokyo Autumn 2023」を開催しました。 高速バス大手であるWILLER(ウィラー)グループでプロダクトマーケティンググループマネージャーを務める藤光昭洋氏をお招きし、デジタル接点における同ブランドの顧客体験(CX:Customer eXperience)改善の課題と施策について語っていただくとともに、ネットワーキングの時間を設け、さまざまな業界・業種のブランド運営企業から集った参加者にお互いの課題や取り組みを共有していただきました。 本稿では、このイベントの様子をレポートします。 一緒になって学ぶ場を提供したい 開会のあいさつに立ったコンテンツスクエアのカントリーマネージャー伊奈憲一郎は、このイベントの趣旨について、「デジタル体験をより良くしていくための実践的アプローチについて、当事者であるブランド運営企業の皆さまと、当社のようなソリューションベンダーが一緒になって学んでいく場をつくりたい。そういう想いから企画しました。一方通行に情報を受け取るだけではなく、参加者の皆さまからもお互いに課題を共有し、良い取り組みを共有し合う。それにより学びを深めて、多くのことを持ち帰っていただければと思います」と説明しました。 UXはお客さまの新規獲得と既存維持にまたがる必須事項 講演セッションに登壇したWILLERの藤光氏は、まず同グループについて紹介しました。「グループが掲げるミッションは『FOR ACCESS ALL』。もしかしたら高速バスのイメージが強いかもしれませんが、実はそれにとどまらず、『誰もが世界中を自由に移動できるようにする』ことを目指し、マーケティングとテクノロジーを活用してさまざまなサービスを提供しています」(藤光氏)。(参考リンク:WILLERグループの事業紹介) その中で藤光氏が現在関わるのは、移動/観光eコマースの開発・運営と、予約サイト「WILLER TRAVEL」の運営を柱とする「マーケティングビジネス」です。特に、年間約450万人の利用者を抱えるWILLER TRAVELの集客・収益の最大化を、大きなミッションとして藤光氏のチームは担っています。     「いろいろな予約方法を提供していますが、ウェブ予約の比率が99%と支配的。したがって集客はオンラインが主軸です。アクティブユーザーはZ世代が中心で、その層の新規ユーザーを獲得しつつ、既存のユーザーにリピート利用してもらえるように、さまざまな施策を実行しています。そうしてせっかくサイトに多くのお客さまに来訪いただいても、そこで離脱されてしまっては意味がありません。新規獲得・既存維持の両方にまたがる必須の取り組みが、サイトのUX改善なのです」(藤光氏)。   「オンラインの顧客接点で新規獲得・既存維持の両方に共通して実施すべきことが、サイトのUX改善です」と語るWILLER  MARKETINGプロダクトマーケティンググループマネージャー藤光昭洋氏 コロナ禍によるユーザー変容からUX改善の課題が顕在化 しかし藤光氏のチームは、コロナ禍がもたらした大きな課題に直面しました。その起点は、ユーザーの行動様式の変化です。新型コロナ流行で人の移動が制限された影響で、WILLER TRAVELのサイトはセッション数もコンバージョン率も一時、大きく低下しました。ところが、移動制限が解除されセッション数は回復したものの、コンバージョン率は以前の水準には回復しなかったのです。藤光氏はこれを、「生活者の購買行動が変わったから」と分析し、例を挙げました。「たとえば東京ディズニーリゾートでは、コロナ禍にモバイルアプリを通じた体験価値向上が進み、チケットの直販率が高まりました。その結果、旅行会社でパッケージ予約する需要が縮小したものとみています」(同氏)。 このような状況から、「ユーザーの行動が変容する中で、どのようにUXを改善すれば良いのか?それに答えを出すには、サイト全体の来訪者の行動をもっと深く理解しなければならない」(同氏)と判断しました。しかし、「なぜ、来訪者はこういう行動をするのか?」の原因まで突き詰めた分析ができず、改善に向けた仮説のレベルが上がらないという課題に突き当たったのです。さらに分解すると、1つは、これまで利用していたアクセス解析ツールでは表面的なデータしか把握できないこと。もう1つは分析がチーム内で属人化してしまい、時間もかかり改善スピードもあがらないことが、課題として顕在化してきました。 そこで導入したのが、Contentsquareのデジタル体験アナリティクスでした。「従来利用していたアクセス解析ツールでは、課題がありそうなところは特定できても、その先にある改善のプロセスを進めるために必要な定量的・定性的な分析ができませんでした」(藤光氏)。   Contentsquareのデジタル体験アナリティクスがどのように藤光氏のチームの課題を解決するのか。同氏は大きく3つのポイントを挙げました。 1つ目は、ユーザーの行動をつぶさに把握できる点です。Contentsquareはデジタル接点におけるユーザー行動を匿名データとして収集するとともに、ユーザーが触れていた6サイトの構造データを取得し、それを再構築することで「ユーザーが実際にどんな体験をし、どんな反応を示しているか」を動画としてリプレイできる機能を備えています。「単なる数字ではなく、ユーザーの実際の行動を、文字とおり目で見て確認できます」(藤光氏)。 2つ目は直感的に使えるUIです。「これまで分析を専門的に受け持っていた担当者はもちろん、誰でもサイト内のコンテンツの良し悪しを数字や色で見て取れます。単なるヒートマップツールでは、その読み解き方を教えるところから始める必要がありますが、Contentsquareはそうではありません」(藤光氏)。 3つ目が、改善の効果をビジネスインパクトに換算して算出することで、改善施策の優先順位付けが根拠を持ってできることです。「企業では、施策の費用対効果について事前の説明が必要になることがよくあります。Contentsquareはデータに基づいて『ここを改善すれば、いくらの収益アップが見込めます』というふうに、改善の効果をわかりやすく提示してくれるので、社内の説明がしやすくなります」(藤光氏)。こうした効果が得られることで、チーム全体での分析と仮説のレベルを底上げでき、改善のPDCAサイクルを高速化できると藤光氏は述べます。 参加者と登壇者のインタラクティブ・ディスカッション 講演に続くのは、参加者の皆さまから受け付けた質問にWILLER藤光氏が答えるセッションです。ただ、このパートで共有された情報は「クローズドな場」であるDX Clubに実際に参加された皆さまだけにお持ち帰りいただくものであり、本稿ではレポートいたしません。ここでは、当日どのような質問が挙げられたか、その一部だけをお伝えいたします。 旧来利用していたアクセス解析ツールは、Google Analyticsの無償版だったとのこと。有償ツールであるContentsquareの使用を決断した「決め手」はズバリ何だったのでしょうか? Contentsquare導入を決める前に、その有用性を確認する実証プロジェクトを実施したと聞きました。印象に残っている点はありますか? UX改善は、どのような体制で運用していますか? 業界・業種を超えてネットワーキング ディスカッションの後は、登壇者と参加者、そしてコンテンツスクエアのメンバーがオープンに交流し、情報や意見を交わすネットワーキングの時間です。今回のイベントに集った参加者の業界は、登壇した藤光氏のWILLERと同じモビリティ&トランスポーテーションから、ファッション/アパレル、リテール、金融サービス、ヘルスケア、フード&ドリンク、通信/エレクトロニクスから行政までと幅広く、「デジタル顧客体験の改善」を共通言語とした会話があちこちで盛り上がりました。 コンテンツスクエアでは、このDX Clubを継続的に開催していきます。ご興味がある方は marketing-japan@contentsquare.comまでどうぞお気軽にご連絡ください。 ※DX Clubのイベントは、ブランド運営企業を対象とした、招待制で開催するクローズドなイベントです。ブランド運営者を支援する立場の事業者さま(ツールベンダー、マーケティングエージェンシー、コンサルティング企業など)については、協賛や共催などの形での参画を提案させていただきますので、marketing-japan@contentsquare.comまでお問い合わせください。    

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